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DTMクリエイターが知っておくべきマスタリングという言葉の解釈

ボカロなどがブームになりDTMを見よう見まねで始めた方も多いと思いますが

高機能なDAWで作品を制作しMIXし音楽のマスター音源を作るひと。そんな人にしかマスタリングっていう単語は出てこない。
 
普通に生活をしていて好きな音楽を聴く人には大好きなアーティストの「リマスター音源発売」などでなにやら音が良くなったのかな?と思うくらいでしょう。この10年でCDマスターの音圧も大きく変化し10年以上前のCDをプレイすると最近のものより音量も小さく感じますよね。
 
そこで、マスタリングの音圧について考えてみましょう。
 
マスタリングでは音圧を上げると言う処理は頻繁に行われます。1曲の中で楽曲アンサンブルによる音量の強弱=ダイナミクスを圧縮することで全体的な音量の底上げをし迫力のあるサウンドに仕上げます。
 
しかし近年、デジタルプラグインの進化と音楽のプロモーションなどの影響などでこの手法を楽曲を目立たせるために過剰に用いる音楽制作が多くなされました。派手に低域と高域がデフォルメされたサウンドは低音量でも聞き取りやすくなり、これを良い音と認識されてしまうのです。
 
もちろん、重低音かつド派手な音量で聞くべきダンスミュージックなどはむしろ適していると思いますが、繊細な感情や楽器のニュアンスを表現すべき音楽にも全体傾向としてこの影響があったといえます。
 
ですのでマスタリングはこのように音圧を上げ派手に加工することを指す言葉ではありません。どんな再生環境でも良い音で楽しめる作品に仕上げるという目的があります。
 
迫力のある音作りと繊細な楽器表現は表裏一体の関係にあり、マスタリングではアーティストの意図に応じた適切な調整が求められます。
 
<音圧が高いことの優位点>
★小規模のオーディオでは小さな音でも迫力を感じる
★音圧の低い曲に比べると第一印象が良いと感じやすい
★とにかく目立つ
 
<音圧が高いことの懸念点>
★うるさく感じすぎる
★抑揚がなくなる
★高機能、高出力のオーディオではかえってバランスが崩れるケースがある
★耳が疲れやすい
 
映像や写真といった眼で確認することができない
「音」の善し悪しってむずかしいものですね。